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〈ビジュアル版〉
世界有用植物誌
人類の暮らしを変えた驚異の植物

ビジュアル版 世界有用植物誌 人類の暮らしを変えた驚異の植物

著者 ヘレン&ウィリアム・バイナム
訳者 栗山節子
発売日 2015年9月11日
ISBN 978-4-86498-032-6
体裁 A4変型判・上製・240ページ・フルカラー
定価 本体12,000円+税

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内容

本書では実用と美の両面から植物とわれわれの複雑な関係を明らかにし、80種以上にのぼる主要な植物の興味深い歴史、重要性および利用法を詳しく解説し、文明の発展や日常生活(食べもの、住居、衣服、乗り物、薬剤など)に与えた影響を探る。。
掲載した植物は、地球上のあらゆる地域の身近なものから奇想天外なものまで多種多様で、文化的、歴史的、植物学的分野の話題には事欠かず、象徴としてさまざまな意味を持ち、さらにそれぞれに魅力的な物語がある。
キュー植物園の比類なきコレクションの美しい図版(植物画を中心に約200枚の写真)とともに、われわれの世界を形作るもっともすばらしい植物の美、多様性、重要性、そしてまぎれもない驚異をたたえる。
学名280項目、植物名300項目、事項600項目の索引を完備。

目次

序文
有用性と美

1. 植物の栽培化 定住と農耕
コムギ、オオムギ、レンズマメ、エンドウ…肥沃な三日月地帯の最初の作物
イネ、アワとキビ、ダイズ、ヒヨコマメなど…アジアの貴重な農産物
トウモロコシ、インゲンマメ、カボチャ…アメリカ大陸の「三姉妹」
ジャガイモ、サツマイモ、ラッカセイ、キノア…南米の先祖伝来の財産
モロコシ、ヤムイモ、ササゲ…サハラ南部の主食
タロイモとパンノキ…オセアニアのエネルギー源
アルファルファとエンバク…戦車や鋤を走らせる
オリーヴ…究極の油
ブドウ…酒を飲めば地が出る

2. 味 単なる必要性を超えて
サフラン…贅沢な香辛料
ナツメグ(ニクズク)、クローヴ(チョウジ)、コショウ…インド、インドネシアの富
トウガラシ…辛いのが好きな人もいる
ニンニク、タマネギ、エシャロット、リーキ…地獄の責め苦?
アブラナ属…緑黄色野菜を召し上がれ
アスパラガス…昔も今もごちそう
ホップ…ビールの苦味
トマト…愛の林檎

3. 薬と毒 微妙なさじ加減
ケシ…快感と苦痛と中毒
キナノキとクソニンジン…マラリアとの戦い
インドジャボク…古代のアーユルヴェーダの薬
コカノキ…興奮剤および神経遮断剤
マチン(ストリキニーネノキ)属…毒薬
ダイオウ…よく効く下剤から「スーパーフード」へ
ヤナギ…悲しみの木、そして苦痛を和らげてくれる木
カンキツ類…ビタミンと風味
アロエ…多肉植物のゲルの効能
メキシコ・ヤムイモ…「ピル」の原料
ニチニチソウ…可憐な花の強力な治療効果
4. 技術と支配力 原材料の世界
レバノンスギ…フェニキアの礎
オーク…権力と威厳
イチイ…中世の長弓、現代の薬
亜麻(アマ)…リネンとリノリウム
麻(アサ)…織物と昔のローブ
綿(ワタ)…世界中の人々の衣服
竹(タケ)…用途が多く強靭な茎
マホガニー…高級家具材

5. 換金作物 収益を上げる
茶(チャ)…世界的に取引される葉芽
コーヒーノキ…世界の精神活性剤
サトウキビ…奴隷貿易の甘い味
カカオ…神の食物
タバコ…『酔いどれ草の仲買人』
藍(アイ)と大青(タイセイ)…真の青を求めて
パラゴムノキ…アマゾン川流域の貴重な樹液
バナナ…世界中で人気の果物
アブラヤシ…経済か環境か

6. 景観 植物の壮観な美
カラマツ…北方の森の堂々とした針葉樹
セコイア…木の世界の巨人
ベンケイチュウ(サワロサボテン)…アメリカ西部の象徴
シルバー・ファーン…マオリ族の輝かしいシンボル
ユーカリ…オーストラリアの代表的な木
ツツジ属(ツツジ、シャクナゲ、アザレア)…花咲く山々
マングローブ…陸と海のはざまに

7. 崇拝と憧れ 聖なるものから美の極致まで
蓮(ハス)…清らかさと再生を表わす聖なる花
ナツメヤシ…砂漠のパン
乳香(ニュウコウ)…聖なる香り
ザクロ…多産、豊穣、復活
リンゴ…誘惑と永遠の命の果実
梅(ウメ)…春の使者
バラ…愛の花
チューリップ…球根熱
蘭(ラン)…奇妙で美しい花
芍薬(シャクヤク)と牡丹(ボタン)…富貴と栄誉の花

8. 自然の脅威 驚くべき植物の世界
バオバブ…逆さまの木
ウェルウィッチア…砂漠の奇妙な植物
オオオニバス…「植物の神秘」
ウツボカズラ…植物の罠
ラフレシア…世界最大の花
ヒマワリ…自然の啓示
イチョウ…偉大なる残存種

著者

ヘレン・バイナム(Helen Bynum)
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンおよびウェルカム医学史研究所で学び、リヴァプール大学で医学史の講師を務めた。
現在はフリーランスの講師、編者および著述家。

ウィリアム・バイナム(William Bynum)
イェール大学で医学博士号を、ケンブリッジ大学で博士号を取得。
ロンドン王立医師会の特別会員。
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの医学史専攻名誉教授。

訳者

栗山節子(くりやませつこ)
翻訳家。
東京外国語大学卒業。
著者等略歴は刊行当時のものです。