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イタリア・ルネサンス美術大図鑑
第1巻 1400年〜1500年
第2巻 1500年〜1600年

イタリア・ルネサンス美術大図鑑 第1巻 1400年〜1500年
イタリア・ルネサンス美術大図鑑 第2巻 1500年〜1600年
著者 スティーヴン・J・キャンベル
マイケル・W・コール
監訳者 池上公平
金山弘昌
発売日 第1巻:2014年12月15日
第2巻:2014年12月15日
ISBN 第1巻:978-4-86498-018-0
第2巻:978-4-86498-019-7
体裁 B4変型判・上製・各巻352ページ・フルカラー
定価 各巻 本体15,000円+税

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第1巻

第2巻

内容

イタリア・ルネサンス美術を1300年代から1600年まで、1400年からは10年ごとに区切って構成。
美術様式の変化、その背景となった宗教的・社会的な動向が時代を追って理解できる。
美術家の修行や研鑽が各都市でどう行われたのか、パトロンの関心や民衆の反応を交えてわかりやすく解説。
絵画・彫刻・建築の写真817点(カラー703点)、地図、コラムを掲載。
用語解説(160項目)、各都市の歴代統治者年表、索引(1300項目)を完備。


第1巻
ブルネッレスキ、ドナテッロ、ボッティチェッリをはじめ、フィレンツェで花開いたイタリア・初期ルネサンスの美術を、13世紀の胎動から説き起こし、作品が生まれた宗教的背景、パトロンの関心、美術家の修業や研鑽の実態、民衆の反応など多角的に検証。15世紀イタリアの各都市に発展していったルネサンス美術の全貌を浮き彫りにする。

第2巻
1500年代、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエッロ、ティツィアーノなどを中心に、絵画・彫刻・建築の技法や形式を革新させ、イタリア・ルネサンスは最盛期を迎える。ローマ劫掠や対抗宗教改革が引き起こす社会の変動、そしてそれがもたらした美術の様式や主題表現の変化を丁寧にたどり、マニエリスムを経て、やがてバロックへと通じる扉を押し開けていく。

目次

【第1巻】
第1章 1300~1400年 トレチェントの遺産
政治的地勢と美術/建築と遺産/ジョット――画家と伝説/ライヴァルの伝統――ドゥッチョ/ピザーノ父子とモニュメンタルな彫刻の出現/信仰の対象となるイメージと信仰生活
第2章 1400~1410年 大聖堂と都市
郷土愛/フィレンツェ大聖堂における競合/大聖堂のための大理石彫刻――ナンニ・ディ・バンコとドナテッロ/ヤコポ・デッラ・クエルチャとフォンテ・ガイア
第3章 1410~1420年 作品の注文――規格、個別注文への対応、競争意識
オルサンミケーレ聖堂とそのニッチ(壁龕)/祭壇画のオーダーメイド――「聖母戴冠」/フィリッポ・ブルネッレスキと捨て子養育院
第4章 1420~1430年 遠近法と遠近法への不満
フィレンツェの中心性/洗礼堂でのロレンツォ・ギベルティとブルネッレスキ/遠近法と物語/ブルネッレスキのモデルとその他の方法/レオン・バッティスタ・アルベルティ――人文主義的な絵画理論
第5章 1430~1440年 絵画の技法と素描の利用
技法――板絵とフレスコ画の制作/素描の中心的役割/古代の想像/ヤコポ・ベッリーニとモデルブックの変貌
第6章 1440~1450年 大邸宅と聖堂
聖と俗/サン・マルコ修道院/1440年以降のフィレンツェの祭壇画/アンドレーア・デル・カスターニョとサンタポッローニア修道院/「古代風」墓碑/私的な大邸宅/世俗パトロネージと聖堂――ヴェネツィアとパドヴァ/シエナ――公共のものであり、かつ聖なる空間/ヴァティカンの教皇とサン・ピエトロ大聖堂の装飾
第7章 1450~1460年 ローマと複数の「ローマ」
ローマと複数の「ローマ」模範都市/ナポリとリミニの宮廷/パドヴァ/ピウス2世――ローマとピエンツァ/アルベルティの『建築論』
第8章 1460~1470年 宮廷の価値
宮廷美術とは?/フェッラーラとボルソ・デステの宮廷/ミラノのスフォルツァ家の宮廷/マンテーニャ、アルベルティとゴンザーガ家の宮廷/ウルビーノ――フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの宮殿/宮廷のない都市における宮廷の価値
第9章 1470~1480年 自然主義とは?
フランドルの様式/油彩技法/実物の写生/初期のレオナルド・ダ・ヴィンチ/自然と古典古代/自然を超える美
第10章 1480~1490年 美術家の移動、広まりゆく美術
持ち運び便利な美術のかたち/活動場所を移す美術家/ヴェネツィア、ローマにおけるフィレンツェのブロンズ彫刻家たち/ローマに赴いたフィレンツェの画家――システィーナ礼拝堂フレスコ壁画/レオナルド、ミラノに赴く
第11章 1490~1500年 周縁から中心へ
変わりやすい境界/イザベッラ・デステのストゥディオーロと神話画/集団の信仰/世界の終末/オルヴィエートの審判の日、ボローニャの「終末」/スフォルツァ家治下のミラノにおけるレオナルド/ミケランジェロ――初期の大理石彫刻

【第2巻】
第12章 1500~1510年 人間性
英雄的身体とその代替物/フィレンツェでのレオナルドとミケランジェロ/ラファエッロの登場/ローマ――新たな建築言語/システィーナ礼拝堂天井画/ヴァティカン宮殿/ヴェネツィア
第13章 1510~1520年 工房と「流派」
ラファエッロとその工房 1512~20年/《ユリウス2世墓碑》のためのミケランジェロの彫刻/「フィレンツェ派」/ティツィアーノとアルフォンソ・デステの書斎
第14章 1520~1530年 中心の喪失
「コンスタンティヌスの間」/ラファエッロ後のローマ――評価された画家たち/フィレンツェ/ロンバルディーア地方とヴェネツィア/1527年のローマ劫掠
第15章 1530年~1540年 王朝と神話
ウルビーノのデッラ・ローヴェレ家/マントヴァのゴンザーガ家/フィレンツェのメディチ家/ジェノヴァのアンドレーア・ドーリア/ファルネーゼ家の支配下のローマ
第16章 1540~1550年 知的な美術
物語画/ミケランジェロの贈答用素描と《ピエタ》/地方の美術理論の隆盛/国外のイタリア人――フォンテーヌブロー/都市の広場/詩のない絵画
第17章 1550~1560年 素描(ディセーニョ)と色彩(コローレ)
ティツィアーノとローマ/デザインと製品――フィレンツェとローマ/ミケランジェロ解釈/イタリア国外
第18章 1560~1570年 デコールム、秩序、改革
アレッサンドロ・モレットとジョヴァンニ・モローニ――トレント公会議直前の改革の動き/ミケランジェロの《最後の審判》、その20年後/イエズス会と聖堂建築の改革/教会の権力者とヴィラ/ヴェネトのヴィラー――アンドレーア・パッラーディオ/ボマルツォの「サクロ・ポスコ」/ピウス4世とピウス5世の時代のボローニャ、フィレンツェ、ローマ/移行期の美術
第19章 1570~1580年 美術、民衆、そして対抗宗教改革
改革を行う二人の大司教/1570年代のヴェネツィア/三つの同信会/ローマの対抗宗教改革における、建築と都市計画/民衆のイメージ
第20章 1580~1590年 場所への意識
庭園とグロッタ/ボローニャの新たな潮流/サクロ・モンテ・ディ・ヴァラッロ(ヴァラッロの「聖なる山」)/ローマの地図製作/シクストゥス5世時代のローマの都市計画/ジャンボローニャの《サビーニの女たちの掠奪》の位置づけ
第21章 1590~1600年 美術の継続
キリスト教人文主義、キリスト教考古学/新たな地勢/ギャラリーと収集対象としての美術品/三つの道/1600年以降

(1・2巻共通)主要各地歴代統治者一覧/用語解説/索引

著者

スティーヴン・J・キャンベル(Stephen J. Campbell)
ミシガン大学とペンシルベニア大学で教鞭をとり、現在はジョンズ・ホプキンズ大学ヘンリー・アンド・エリザベス・ヴィーゼンフェルド・プロフェッサー。

マイケル・W・コール(Michael W. Cole)
ノースカロライナ大学、ペンシルベニア大学、ウィリアムズ大学で教鞭をとり、現在はコロンビア大学教授。

監訳者

池上公平(いけがみこうへい)
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退。
共立女子大学文芸学部教授。
専攻はイタリア美術史。

金山弘昌(かなやまひろまさ)
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得満期退学。
慶應義塾大学文学部准教授。
専門はイタリア美術史・建築史。

著者等略歴は刊行当時のものです。