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世界の民族楽器文化図鑑
大自然の音から、音を出す道具の誕生まで

世界の民族楽器文化図鑑 大自然の音から、音を出す道具の誕生まで

著者 リュシー・ロー
監訳者 別宮貞徳
発売日 2013年12月2日
ISBN 978-4-86498-009-8
体裁 B4変型判・232ページ・フルカラー
定価 本体12,000円+税

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内容

楽器が生まれた背景を、風のうなりや雷といった自然の音や、先史時代の洞窟の音響現象から説き起こし、伝達手段、儀礼、癒しのためのさまざまな“音を出す道具”を紹介。
伝統的な楽器の形や模様、音の出し方やその音色に込められた意味を探る!

目次

第1章 自然の声
聖なるこだま/洞窟の音楽/音を響かせる洞窟/声とその重なり/石のオルガン/自然にうながされて/動物と音の力/クロマニョン人の笛/イステュリッツのフルート/ブルローラーのうなり/リズムを刻む
コラム…音響現象/角のある狩人と弓のなぞ/角を持つ女性/先史時代の楽器

第2章 楽器としての身体
声の誕生/ア・カペラ/エスニック・グループに特有の歌声/声と楽器の音色――いのちと共に/ゆがみ、模倣、音響効果/身体でリズムをとる/聖なる大地をはだしで踏んで/ベルの男/鳴子、ガラガラ、シストルム/リズムスティック/木の太鼓/労働のリズム/日常的な生活や活動から生じる音/身体の延長として/人間の形をした楽器/楽器と動物/身体の名称を使った命名/人間の体を材料に
コラム…天使の歌声/声のヴィブラート/身につけて鳴らす樂器/人間の形の楽器

第3章 宗教および儀式の楽器
物を介して/睡眠と忘我/守護霊/シャーマン、音の呪術師/儀式に音はつきもの/ダマル、不滅の楽器/ティルブあるいは知恵/臼――神秘の錬金術/銅鼓/楽器の変容と人格化/太鼓と側室/楽器の副葬/先祖の声/音なしの音楽、暗示される音楽/アルンルンの踊り/鍛冶屋の神話/音あるいは音楽による占い/悪霊をしりぞけ神を呼び出す/病を癒して豊穣を祈る/鐘――権力の象徴
コラム…オルペウスの竪琴/兎歩/木蘭に見られる狩りの情景/力の象徴としての楽器/チベットの極楽浄土/臼と水/装飾と象徴/イファの儀式

第4章 社会の中の楽器
鐘の言葉/不変の世の道具/黄鐘/放浪の楽器/楽器とその運命/リュートとフィドル/ヴァイオリンの魂/放浪のギター/フルート――魅力か魔力か/ピアノ=フォルテ/記譜/口承と記録の伝承
コラム…中国における時間の区分/擦弦楽器・撥弦楽器/流浪のヴァイオリン/古代の楽譜/楽器にされた日用品

第5章 物に魂を与える
自然の力を支配する/詩神(ミューズ)のひらめき/楽器の生命力/よい素材でよい音を/素材を使いこなし、分類する/音楽学と音楽学者/楽器作りの課題/からだの犠牲/角と象牙から/巻貝と貝殻/羽根、馬毛、人毛/植物のオーケストラ/ヒョウタンは万能/竹の伝統/木と樹皮/土、石、金属
コラム…音の分類(八音)/形と装飾/中空のボディ/パンパイプを作る、ソロモン諸島のアレアレ族/バア(太鼓)を作る、コートディヴォワールのダン族/廃品のリサイクルによる楽器

用語解説/索引

著者

リュシー・ロー(Lucie Rault)
中国学者、書道家・画家。
民族学と東洋学研究の博士で、中国社会の音楽宗教人類学についての論文がある。
現在、フランス国立自然史博物館准教授、人類博物館民族音楽ならびに楽器収集部門担当。
人類の起源からの音楽空間と、中国における思考体系と信仰体系を研究している。
中国の楽器学、儀式音楽、音楽的思考に関する多くの著書がある。

監訳者

別宮貞徳(べっくさだのり)
翻訳家・批評家。
上智大学文学部英文学科卒業。
同大学大学院西洋文化研究科修士課程修了。
元上智大学文学部教授。
著者等略歴は刊行当時のものです。