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山地農民の昭和史
赤木勝太郎日誌・金銭出入帳

山地農民の昭和史 赤木勝太郎日誌・金銭出入帳

編者 赤木祥彦
発売日 2011年11月25日
ISBN 978-4-903530-54-3
体裁 B5判・上製・664ページ・函入り
定価 本体25,000円+税

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内容

中国脊梁山地・岡山県神代村の平均的な自作農・赤木勝太郎が記載した、昭和5年から48年までの、40年以上におよぶ日誌と金銭出入帳を、息子自らが整理・編集。
東北・東日本中心のこれまでの農民日記とは異なる、西日本・中国脊梁山地の農民日誌。
日誌には、家族全員のその日の行動と、家に関する諸事項だけが一貫して簡潔に記載されており、日々の生活の様子が40年以上にわたって再現できる貴重な記録となっている。
日誌は1か月1ページの見やすい構成で、注をつけ、現代仮名遣いになおすなど、読みやすさを重視。
第4部では、日誌・金銭出入帳からの抜き書きを表にし、人名・用語解説も添付。
40年以上の稲作暦を表にまとめ、ひと目でその変化を知ることができ、さらに栽培する稲の品種名と1反当りの年による変化の表をあわせると稲作研究の基礎資料になる。
昭和5年から41年まで、毎年の米の収支の明細・販売価格を記載。
また太平洋戦争後には、ヤミ米価格・金の代わりに使用した米の量・戦争中から戦後にかけては配給米(供出農家も配給米を購入している)の支払金額が記載されており、時代により米の重要性の変化を知る資料になる。
冠婚葬祭・祭り・神楽・休日など、中国脊梁山地の農家の日常を知ることができる。
昭和5年から41年まで、平均的な脊梁山地農民の収入と給与生活者の収入を比較できる資料になる。
昭和7年から47年までほぼ毎年、田植えに雇った女性の日当が記載されており、資料が少ない中国脊梁山地の女性の日当を知る資料に。

目次

第1部 解題
I章 下神代とその周辺
1. 自然環境
2. 地域の歴史の概要
3. 行政組織・地域組織としての新市上組
4. 赤木家が氏子の神社と神様
5. 下神代に影響を与えた鑪製鉄
6. 赤木家について

II章 日誌について
1. 水田耕作
2. 製炭
3. 用材などの山林財
4. 牛の飼育
5. 日誌に記載されていない仕事
6. 勝太郎の父「庄太郎」が記載した『大福帳』について

III章 金銭出入帳について
1. 昭和20年まで
2. 昭和21年以降

第2部 日誌

第3部 金銭出入帳
赤木家の入金(昭和5年~20年)
赤木家の出金(昭和5年~20年)
各年の支出内訳(昭和5年~20年)
毎年の項目ごとの支出
赤木家の入金(昭和21年~41年)
赤木家の出金(昭和21年~41年)
収入内訳(昭和21年~30年)
収入内訳(昭和31年~41年)
日誌から抜粋した収入(昭和42年~48年)
各年の支出内訳(昭和21年~41年)
毎年の項目ごとの支出

第4部 日誌・金銭出入帳からの抜き書き
昭和15年の日誌の末尾に記載されているメモ
昭和18年の日誌の末尾に記載されているメモ
中国山地の自作農(赤木家1町1反6畝)の産米収支(昭和5年~20年)
中国山地の自作農(赤木家1町1反6畝)の産米収支(昭和20年~41年)
賃金の経年変化(昭和5年~41年)
賃金(田植人夫賃)の経年変化(昭和42年~48年)
昭和8年に建築後数年の母屋(建坪69坪)を購入して解体し、300メートル運搬して建築したときの費用
昭和13年に母屋に石州瓦を葺いたときの費用
戦争関係諸事項
戦争協力貯金・債券・献金等拠出金
昭和23年に金の代わりに使用した米の回数と量
赤木セキノによるお膳の記録

編者

赤木祥彦
1935年、岡山県生まれ。
広島大学大学院地理学専攻博士課程単位取得退学。
広島大学文学修士、東北大学理学博士。
福岡教育大学名誉教授。
歴史地理(たたら製鉄史)、地形、沙漠地誌が専門。
著者等略歴は刊行当時のものです。