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図説
月の文化史
神話・伝説・イメージ
(上・下巻)

図説 月の文化史〈上〉 神話・伝説・イメージ
図説 月の文化史〈下〉 神話・伝説・イメージ
著者 ジュールズ・キャシュフォード
監訳者 別宮貞徳
訳者 片柳佐智子
発売日 上巻:2010年1月18日
下巻:2010年1月25日
ISBN 上巻:978-4-903530-36-9
下巻:978-4-903530-37-6
体裁 A5変型判・平均430ページ・カラー口絵各巻8ページ
定価 各巻 本体4,500円+税

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内容

はるかな昔から、変わることなく続く月の満ち欠けのリズムは、人類の誕生、死、再生と密接に結びついている。
旧石器時代の動物の角や骨に刻まれた最古のしるしから、今日の技巧をこらした詩にいたるまで、月に霊感を受けた神話や象徴、詩的イメージ、行事・風習などをさまざまな視点で考察。
月の文化的側面を網羅した待望の書。

目次

【上巻】
序文
第1章 月と生命のリズム
月の記録/月と生きている時間/イナンナの冥界下り/ゾーエーとビオス/オシリスの死と復活
第2章 月と時間
永遠と時間/月と時間の測定/月の神殿/聖なる暦/年の分割――季節の月/太陰時と太陽時の調整/時間の質としての月の諸相/新月/満月/欠けてゆく月/ひと月を分ける/月の日/時間と永遠
第3章 月と水
月と生命の水/月と天候/月と露/月と海/月と死の水/暗い月と洪水/水中の月/月と永遠の生命の水(ソーマ/ハオマ/マナ/甘露/月の露/ミード)/水たまらねば月も宿らず(無水無月)
第4章 月と大いなる生命の網
月の顕現/ヘビ/雄牛と雌牛/カエルとヒキガエル/クマ/海の生き物/真珠/カニ/ムーンストーン(月長石)/オオカミとイヌ/ネコ/クモ
第5章 月と心
「月」の語源/理性的で直感的な思考/周期に番号をつける(二/三/四/二十八/七/九/十三、十四/十七/十九/五十)/心像(メンタルイメージ)の形成/月の枠組み
第6章 月と太陽
月と太陽の創造神話/月と太陽の性(男性としての月/女性としての月/女性を象徴する月)/月の「太陽化」/月と変わりやすさ(可変性)/キリスト教における太陽と月/月の物語の消滅/太陽意識と月意識
第7章 月の面(おもて)
月にいる男/月にいる女/月のなかの水/月にいるカエルとヒキガエル/月にある煤、灰、血、泥/月にあるエリクシル(霊薬)/月のウサギ(インド神話のウサギ/アステカやマヤ神話に登場するウサギ/北米先住民族の神話に登場するウサギ/死と再生の象徴、月のウサギ/イースターのウサギ/アフリカの神話に登場するウサギ)/いかにしてマンティスは月を造ったか

【下巻】
第8章 月と豊穣
月と月経/月神による月経の始まり(月の血)/月の欠けと月経/月と懐妊(受精させる雄牛としての月/誘惑するヘビとしての月/好色な月)/月と出産/誕生と月の諸相/月と動物の多産/狩人としての月/再生のサイクル
第9章 月と植物
水や草木の月神/月の諸相と大地/暗い月と冬/死んでよみがえる神々(オシリス/ディオニューソス/オルペウス/メンとアッティス/デーメーテルとペルセポネー)
第10章 月と運命
モイライ(運命の女神たち)/パルカエ(パルカたち)/マトロナエ(母たち)/ノルンたち/魔女の三姉妹/糸を紡ぐ月/織り手としての聖母マリア/おとぎ話のなかの運命としての糸紡ぎ/マーヤーのヴェール/運命の女神の紡ぎ車(運命の輪)/時間紡ぎと運命結び
第11章 満月
ムーサ(ミューズ)としての満月/ホルスの回復した目としての満月/満月と狂気/月と魔術/月と黒魔術/月と太陽の聖なる結婚
第12章 欠けてゆく月
月との絆/死の殻を脱ぎ捨てる/死を扱う月/懲罰としての死/選択の対象としての死/月の臨終/解体としての月の欠け/解体という月のミステリー
第13章 暗い月と死
月食の月/月と犠牲/祖先と審判者としての月/魂の住まいとしての月/太陽への旅の途中に寄る場所としての月/永遠の世界への入口としての月/地球の荒野としての月
第14章 新しい月――再生
変容の月神話/象徴と比喩としての神話/新しい月

参考文献/総索引

著者

ジュールズ・キャシュフォード(Jules Cashford)
セント・アンドリューズ大学で哲学を専攻、ケンブリッジ大学大学院で文学を学んだ後、トリニティ・カレッジで数年間教鞭をとる。

監訳者

別宮貞徳(べっくさだのり)
上智大学文学部英文学科卒業。
同学大学院西洋文化研究科修士課程修了。
元上智大学文学部教授。
現在、翻訳家・批評家。

訳者

片柳佐智子(かたやなぎさちこ)
国際基督教大学卒業。
1988より別宮貞徳氏に師事。
著者等略歴は刊行当時のものです。