編者 | ジェニファー・スピーク |
監訳者 | 澤田治美 |
訳者 |
赤羽美鳥 杉山正二 |
発売日 | 2017年12月10日 |
ISBN | 978-4-86498-052-4 |
体裁 | A5判・528ページ |
定価 | 本体15,000円+税 |
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内容
聖書、シェイクスピア、ギリシア・ローマの偉人たちの心に残る言葉が満載。
英語だけでなく、ギリシア語・ラテン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・アラビア語・中国語・日本語といった他言語に起源を持つことわざの意味も解説、その魅力に迫る。
監訳者のことば
本書には、約1200のことわざ・名言が収録されており、聖書、シェイクスピア、言語コーパスなどから用例が多数挙げられていて、英語のことわざの豊穣な世界が浮き彫りにされています。
ことばは私たちを支え、励ましてくれます。
私自身、進路に迷いながらドイツ語を学んでいた大学4年の時、Es irrt der Mensch, so lang’ er strebt.(人は、努力する限り迷うものだ)というゲーテのことばを見つけました。
『ファウスト』の「天上の序曲」にあるこのことばは、今日までずっと心の糧となってきました。
本書の中の次のことばも私の背中を押してくれました。
Make haste slowly.(ゆっくり急げ)(ラテン語festina lente.)、To err is human(to forgive divine).(過ちは人の常〈許すは神の業〉)、Be not therefore anxious for the morrow: for the morrow will be anxious for itself. Sufficient unto the day is the evil thereof.(だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である)(『マタイによる福音書』6章34節)。
最初のことばは大学時代に出会ったもの(作家の故開高健は「悠々として急げ」と名訳しました)、2番目のことばは1986年、ハーバード在外研究員として一家でボストンに滞在していた時、クリスチャンの老夫婦の家に招かれた時に教わったもの、3番目のことばは、結婚式で恩師から贈られたものです。
英語のことわざには、古代ギリシア・ローマをはじめとするヨーロッパの長い歴史・文化・宗教・伝承の伝統が投影されています。
While there’s life, there’s hope.(生きている限り希望がある)は古代ギリシアのことわざですし、Love laughs at locksmiths. (恋は錠前屋など物ともしない)はシェイクスピアのものですが、考え方や感じ方は現代とちっとも変わりません。
ことわざは英語学習にとって最高の教材となります。
高校時代に、授業でLife is full of partings.を「『サヨナラ』ダケガ人生ダ(人生足別離)」(井伏鱒二『厄除け詩集』から)と、Love laughs at distance.を「惚れて通えば千里も一里」と訳したらどうかと教わった時、雷に打たれたような感動を受けました。
人は一つのことばで救われれる時があります。
ことばを学ぶ若い人たちに珠玉のことわざや名言に出会ってほしいと切に願っています。
編者
辞典編集者。
監訳者
関西外国語大学教授。
博士(英語学)。
モダリティ、意味論、語用論に関する著訳書・論文多数。
訳者
岡山理科大学非常勤講師。
博士(文学)。
杉山正二(すぎやましょうじ)
岡山理科大学教授。
博士(文学)。