著者 | 安高啓明 |
英文要旨 | 石澤一未 |
発売日 | 2021年12月17日 |
ISBN | 978-4-86498-089-0 |
体裁 | A5判・上製・484ページ |
定価 | 本体12,000円+税 |
オンライン書店
内容
キリスト教伝来によって生まれたキリシタン。
彼らは江戸幕府の禁教政策のもと、表向きは仏教徒として生活しながら、密かにキリスト教信仰を維持する〝潜伏キリシタン〟となった。
その誕生の背景を歴史的に辿るとともに、世界文化遺産に登録された関連資産を紹介。
「日本型キリスト教」に多角的に迫る。
彼らは江戸幕府の禁教政策のもと、表向きは仏教徒として生活しながら、密かにキリスト教信仰を維持する〝潜伏キリシタン〟となった。
その誕生の背景を歴史的に辿るとともに、世界文化遺産に登録された関連資産を紹介。
「日本型キリスト教」に多角的に迫る。
内容目次
序章 〝潜伏キリシタン〟と〝かくれキリシタン〟
一章 キリシタンの誕生と潜伏キリシタンの土壌
日本キリスト教史の起源――鉄炮伝来とザビエル来航/ザビエルの教理書と語学力/アンジローの翻訳力とデウスの誤訳/布教の実践と聖具の入手/トルレスの日本布教と適応主義の実践/イエズス会の布教方針と適応主義の定着/キリシタン大名とキリシタン領主の誕生/長崎の教会領化とその終焉/伴天連追放令の発布と長崎の状況/天正遣欧使節団の派遣と帰国後の状況/活版印刷機とキリシタン版の作成/日本人司祭の誕生/フランシスコ会の日本進出とイエズス会の抵抗/慈悲の組と信心会/救民と医療/集団改宗の実態と原理/教育機関の設置と聖職者養成/軍事活動と布教の展開/ヴァリニャーノによる布教体制の確立と展開/暦とキリシタン行事/日本の伝統的慣習とキリシタンの結婚/キリシタン葬儀/キリシタン墓・墓碑
二章 禁教社会の形成
高山右近の改易と国外追放/正親町天皇による禁教令と統一権力/豊臣秀吉による伴天連追放令の発布/オランダの来航の契機と平戸商館/日本キリスト教界の変化と慶長禁教令/禁教下におけるイエズス会宣教師の状況/キリシタン改めの変容過程/島原天草一揆の歴史評価/天草四郎の奇跡と神聖化/天草での攻勢から原城入城へ/原城籠城の実態/キリシタンの紐帯をなした「四郎法度書」/二度にわたる原城総攻撃/戦後処理と論功行賞/鎖国への前提と国民の定義/「鎖国令」の段階的発布と「鎖国」状態の形成/出島の造成と隔離政策/出島の構造とオランダ文化/長崎奉行とキリシタンの取り締まり/長崎防衛体制と排他主義の確立/四口の形成と日本型華夷秩序/訴人褒賞制とキリシタン制札/宗門改制度の確立/踏絵の変遷/絵踏の開始と長崎での絵踏/長崎奉行所から踏絵を貸与した藩/自前で踏絵を所有していた藩/属性によらない絵踏の実態/宗門改帳と類族改帳
三章 幕府の禁教政策と潜伏キリシタンの露顕
キリシタンから潜伏キリシタンへ/郡崩れの発生と大村藩の対応/郡崩れの処分と基準化/豊後崩れの発生と処分/豊後国岡藩の踏絵鋳造事件/濃尾崩れの発生と処分/熊本藩における寛文期キリシタン対応/シドッチの日本潜入/浦上一番崩れの発生と処分/浦上村庄屋と「異宗」信仰者の対立/天草崩れの発生/天草の潜伏キリシタンの信仰組織と信心具/天草崩れの処分とその後の対応/潜伏キリシタンの信仰と検挙者褒賞/経消しの作法/異宗回信者の管理/合足組による庄屋上田演五右衛門の罷免要求/京坂キリシタン一件の処分/京坂キリシタン一件の踏絵の崇拝/浦上二番崩れの発生と評価/浦上三番崩れの発生と信仰の確認/浦上三番崩れの取り調べと処分/ラナルド・マクドナルドの日本潜入事件
四章 潜伏から〝かくれ〟へ
「内憂外患」と「鎖国」崩壊の予兆/ペリーの浦賀来航とプチャーチンの長崎来航/安政五カ国条約の締結と外国人の滞在/踏絵の廃止と日本役人の矜持/「万国公法」の受容と涵養/パリ外国宣教会と日本での布教/プチジャン神父と信徒告白/明治政府の樹立と太政官札の掲示/神仏分離令の発布/天草における絵踏の代替策/廃仏毀釈運動の展開と文化財保護/長崎での神仏分離令の実態/浦上四番崩れの発生と処分/五島崩れの発生と取り締まり/浦上村キリシタンの処遇/福江藩の潜伏キリシタンの動向とキリシタン殺害事件/条約改正交渉とキリスト教政策の転換/伊万里県キリシタン事件/キリシタン制札の撤去/萩・津和野のキリシタン処遇と改心者の墓石/浦上村キリシタンの帰村/ド・ロ神父の布教と版画の作成/天草での復活とガルニエ神父/浦上村と今村の潜伏キリシタンの交流/今村の潜伏キリシタンの信仰形態/かくれキリシタン行事/信心具の変容と独自性/潜伏キリシタン没収品の移管と博覧会での陳列計画/キリシタン信仰物・遺物の真偽性
五章 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の登録
世界文化遺産条約/構成資産から外された資産/教会建築を手がけた鉄川与助/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産/構成資産1−原城跡/構成資産2−平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)/構成資産3−平戸の聖地と集落(中江ノ島)/構成資産4−天草の﨑津集落/構成資産5−外海の出津集落/構成資産6−外海の大野集落/構成資産7−黒島の集落/構成資産8−野崎島の集落跡/構成資産9−頭ヶ島の集落/構成資産10−久賀島の集落/構成資産11−奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)/構成資産12−大浦天主堂
一章 キリシタンの誕生と潜伏キリシタンの土壌
日本キリスト教史の起源――鉄炮伝来とザビエル来航/ザビエルの教理書と語学力/アンジローの翻訳力とデウスの誤訳/布教の実践と聖具の入手/トルレスの日本布教と適応主義の実践/イエズス会の布教方針と適応主義の定着/キリシタン大名とキリシタン領主の誕生/長崎の教会領化とその終焉/伴天連追放令の発布と長崎の状況/天正遣欧使節団の派遣と帰国後の状況/活版印刷機とキリシタン版の作成/日本人司祭の誕生/フランシスコ会の日本進出とイエズス会の抵抗/慈悲の組と信心会/救民と医療/集団改宗の実態と原理/教育機関の設置と聖職者養成/軍事活動と布教の展開/ヴァリニャーノによる布教体制の確立と展開/暦とキリシタン行事/日本の伝統的慣習とキリシタンの結婚/キリシタン葬儀/キリシタン墓・墓碑
二章 禁教社会の形成
高山右近の改易と国外追放/正親町天皇による禁教令と統一権力/豊臣秀吉による伴天連追放令の発布/オランダの来航の契機と平戸商館/日本キリスト教界の変化と慶長禁教令/禁教下におけるイエズス会宣教師の状況/キリシタン改めの変容過程/島原天草一揆の歴史評価/天草四郎の奇跡と神聖化/天草での攻勢から原城入城へ/原城籠城の実態/キリシタンの紐帯をなした「四郎法度書」/二度にわたる原城総攻撃/戦後処理と論功行賞/鎖国への前提と国民の定義/「鎖国令」の段階的発布と「鎖国」状態の形成/出島の造成と隔離政策/出島の構造とオランダ文化/長崎奉行とキリシタンの取り締まり/長崎防衛体制と排他主義の確立/四口の形成と日本型華夷秩序/訴人褒賞制とキリシタン制札/宗門改制度の確立/踏絵の変遷/絵踏の開始と長崎での絵踏/長崎奉行所から踏絵を貸与した藩/自前で踏絵を所有していた藩/属性によらない絵踏の実態/宗門改帳と類族改帳
三章 幕府の禁教政策と潜伏キリシタンの露顕
キリシタンから潜伏キリシタンへ/郡崩れの発生と大村藩の対応/郡崩れの処分と基準化/豊後崩れの発生と処分/豊後国岡藩の踏絵鋳造事件/濃尾崩れの発生と処分/熊本藩における寛文期キリシタン対応/シドッチの日本潜入/浦上一番崩れの発生と処分/浦上村庄屋と「異宗」信仰者の対立/天草崩れの発生/天草の潜伏キリシタンの信仰組織と信心具/天草崩れの処分とその後の対応/潜伏キリシタンの信仰と検挙者褒賞/経消しの作法/異宗回信者の管理/合足組による庄屋上田演五右衛門の罷免要求/京坂キリシタン一件の処分/京坂キリシタン一件の踏絵の崇拝/浦上二番崩れの発生と評価/浦上三番崩れの発生と信仰の確認/浦上三番崩れの取り調べと処分/ラナルド・マクドナルドの日本潜入事件
四章 潜伏から〝かくれ〟へ
「内憂外患」と「鎖国」崩壊の予兆/ペリーの浦賀来航とプチャーチンの長崎来航/安政五カ国条約の締結と外国人の滞在/踏絵の廃止と日本役人の矜持/「万国公法」の受容と涵養/パリ外国宣教会と日本での布教/プチジャン神父と信徒告白/明治政府の樹立と太政官札の掲示/神仏分離令の発布/天草における絵踏の代替策/廃仏毀釈運動の展開と文化財保護/長崎での神仏分離令の実態/浦上四番崩れの発生と処分/五島崩れの発生と取り締まり/浦上村キリシタンの処遇/福江藩の潜伏キリシタンの動向とキリシタン殺害事件/条約改正交渉とキリスト教政策の転換/伊万里県キリシタン事件/キリシタン制札の撤去/萩・津和野のキリシタン処遇と改心者の墓石/浦上村キリシタンの帰村/ド・ロ神父の布教と版画の作成/天草での復活とガルニエ神父/浦上村と今村の潜伏キリシタンの交流/今村の潜伏キリシタンの信仰形態/かくれキリシタン行事/信心具の変容と独自性/潜伏キリシタン没収品の移管と博覧会での陳列計画/キリシタン信仰物・遺物の真偽性
五章 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の登録
世界文化遺産条約/構成資産から外された資産/教会建築を手がけた鉄川与助/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産/構成資産1−原城跡/構成資産2−平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)/構成資産3−平戸の聖地と集落(中江ノ島)/構成資産4−天草の﨑津集落/構成資産5−外海の出津集落/構成資産6−外海の大野集落/構成資産7−黒島の集落/構成資産8−野崎島の集落跡/構成資産9−頭ヶ島の集落/構成資産10−久賀島の集落/構成資産11−奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)/構成資産12−大浦天主堂
用語解説/日本キリスト教史年表/参考文献/人名索引・事項索引/英文要旨
著者
安高啓明(やすたかひろあき)
熊本大学大学院人文社会科学研究部准教授。
博士(史学)、博士(国際文化)。
おもな著書に『近世長崎司法制度の研究』、『歴史のなかのミュージアム』、『長崎出島事典』など。
熊本大学大学院人文社会科学研究部准教授。
博士(史学)、博士(国際文化)。
おもな著書に『近世長崎司法制度の研究』、『歴史のなかのミュージアム』、『長崎出島事典』など。
英文要旨
石澤一未(いしざわかずみ)
米国公認会計士(AICPA)〔1616212〕。
おもな英文翻訳に安高啓明『トピックで読み解く日本近世史』、安高啓明『長崎出島事典』など。
米国公認会計士(AICPA)〔1616212〕。
おもな英文翻訳に安高啓明『トピックで読み解く日本近世史』、安高啓明『長崎出島事典』など。
著者等略歴は刊行当時のものです。